転ばぬ先の...

40代半ばを過ぎるあたりから、身近な人の家族や親の介護で苦労しているという話を耳にすることが増えてきます。状況は様々ですが、多くの場合、ある特定の出来事（主に怪我）をきっかけに介護が始まるというパターンが多いです。

しかし、このような出来事は予期せぬものであることが多く、突然の介護にとまどう方も少なくありません。「日頃から準備しておくべきでは？」と考えても、具体的な指針がなく悩む方も多いのではないでしょうか。

ここで、一つの目安として75歳という年齢に注目してみます。この年齢を過ぎると、足腰が弱くなり、怪我のリスクが高まる傾向が。そして怪我がきっかけとなって、身体活動にトラブルが発生し、統計的に介護認定を受ける方が増えていくのです。このような流れを踏まえると、75歳前後から介護に向けた準備を始めるのが良いでしょう。

例えば：

• 住環境の見直し：転倒防止のための手すりの設置や段差の解消など
• 定期的な健康チェック：早期発見・早期対応は効果あり
• 介護サービスの情報収集：地域で利用可能なサービスを調べておく

こうした準備をしておくことで、突然の事態にも慌てず対応できるようになります。家族で話し合い、無理のない範囲で少しずつ準備を進めていきましょう。

親に介護施設に入ってもらえばいいの？

仕事が忙しい、親と離れて暮らしているなどの状況で、仕事と親の介護の両立が難しくなると、多くの方が親の施設への入居を考えるようです。しかし、それが必ずしも最善の選択とは限りません。親の希望を尊重しつつ、自宅での生活を支える方法も視野に入れてみましょう。実際に、介護を受けている方の大半が自宅で介護サービスを活用しています。

おそらく、あなたの親も長年暮らした自宅で生活し続けることを望んでいます。施設入居を急ぐのではなく、段階的なアプローチを考えましょう。まずは自宅での生活を続けながら、少しずつ介護サービスを取り入れていくのが良いでしょう。親本人の納得いく形で家族や専門家との話し合いや相談ができることが望ましいです。

例えば：

• 親との話し合い：親の希望を丁寧に確認し、必要なサポートについて話し合う
• 介護サービスの利用：地域の介護サービスについて調べ、必要なものを順次利用し始める
• 専門家への相談：ケアマネージャーや地域の介護支援センターに相談し、最適な支援を受けられるよう手配する
  
  家族や親族で意見が分かれたり、親が介護を受けることそのものを嫌がる場合もあります。外部の支援も活用しながら、親の希望と家族の事情のバランスが大切です。 時間をかけて調整し、最適な解決策を見つけていきましょう。

介護サービスを利用するとどうなるの？

親が75歳を超えてくると、「最近、足腰が弱ってきたな」「一人で住んで大丈夫かな」といった健康面の不安が出てくることがあります。特に、一人暮らしの男性の場合、食事がきちんと取れていないというケースもよく聞きます。

こういった状況で、在宅で介護するというのは、親が自宅で過ごしながら家族以外からも助けてもらえるよう、必要な介護サービスを受けることです。親が自宅で快適に暮らし続けられるように、介護サービスや地域、行政のサポートを賢く活用しましょう

自宅での介護サービスには、さまざまな選択肢があります
具体的には以下のようなサービスがあります

• ホームヘルパー：自宅での生活を支援するサービス。日常生活の援助、家事の手伝いを提供。食事準備、掃除、洗濯など、様々なサポートを行います。
  
• 訪問看護：看護師が自宅を訪問し、医療ケアを提供するサービス。健康管理、薬の管理、健康チェックなどを行い、安心な在宅生活を支えます。
• デイサービス：日中、施設でリハビリや活動に参加できるサービス。運動不足解消や孤独・孤立を解消、栄養バランスの良い食事も提供します。
• ショートステイ：高齢者を短期間施設で預かるサービス。介護者の休息や緊急時の利用に対応し、双方の生活の質向上に寄与します。

親が住んでいる地域にどんなサービスや事業所があるか知りたい時は、まずは専門家に相談してみてください。地域包括支援センターやケアマネージャーが介護保険制度や介護サービスの情報を教えてくれます。親の健康状態や生活環境に合わせて、適切なサービスを選んでいきましょう。